群青

星もない空がまだほのかに薄明るいから

あの雲の裏側にはきっと月がいるんだろう

 

手のひら丸めて作った望遠鏡には

そっと黒を一歩抜け出した群青だけが映る

 

見えなくてもそこにあるもの

君のぬくもり

 

刻まれた何かが

いまも僕らつないでいるのだろうか

それともそれこそが

魔法みたいな話なのだろうか

 

欠けては満ちるを繰り返す月のように

いつの日かまた僕らも会えるのだろうか

 

何も言わないでただ聞いていてくれた

それがそう答えなんだと

気付いてはいるけど

 

過ぎ行けば戻らないもの

知っていたのに

 

慰めを待てども

胸は締め付けられるばかりだから・・・

それでも夜に泣くのはおよしよと

頬をなでる風

 

刻まれた何かが

いまも僕らつないでいるのだろうか

それともそれこそが

魔法みたいな話なのだろうか

 

それならばもう一度だけ

在りし日の姿 心に

描き留める 今

 

詞・曲:櫻井千晴